疑惑の部屋移動!?パート3(最終章)・・・【ポンコツホテル】フロントマン山本次郎の奮闘記

疑惑の部屋移動!?パート3(最終章)・・・【ポンコツホテル】フロントマン山本次郎の奮闘記


(この物語は、ある老舗ホテルに勤務する
 フロントマンから見聞したエピソードを
 脚色したフィクションであり、
 実在の人物及び団体とは
 一切関係ありません。)

前回のエピソード↓

モヒカンの部屋移動
それにより、臭いの問題は解決

この時の山本次郎は一件落着して
安堵しただけだった。
特に疑惑が湧くようなことはなかった。

だが、しかし、疑惑を感じる出来事が
後に起こり、山本次郎の心は、
かき乱されることになる。


夜9時を過ぎて、すっかり部屋移動のことを
忘れていたフロントの山本次郎にある男性が
話しかけてきた。

しきりにこのポンコツホテルのことを
聞いてくる。

「ここの温泉はいいんですか、有名なのですか?」

フロントの事務作業で忙しい山本次郎にとって、
今は、会話を楽しむ余裕がないが、
お客さんだから答えるしかない。

「はい、この地域で3大名湯の一つと
 言われているので、良い温泉だと思います。」

(早く終わらないかな、この会話・・・)




次にこの男性はゴルフパックのことを
聞いてきた。

「実はゴルフパックで予約したんですが、
 予約しているゴルフ場はいい所ですか?」

山本次郎はゴルフをしないので、
いいも悪いも分からない。
だけど、うまく答えないと・・・


「よく、利用されているゴルフ場なので
 人気があるんだと思います。」

無難な答えだ。
そして極めつけの質問が飛び出す。

「明日、ゴルフ場予約しているのですが、
 明日何時からスタートか分かりますか?」


「はい、分かると思います。部屋番号
 教えて貰って良いですか?」

「〇〇〇~号室です」

・・・・・

・・・・・


何とその部屋は、夕方部屋移動した
モヒカンの部屋だったのだ。

山本次郎は最初話しかけてきたとき
それがモヒカンとは分からなかった。
帽子を被っていたからだ。

山本次郎は、明日のゴルフ場の時間を伝え、
他にもいろいろ聞かれたことを
どんどん答えていった。

時間的には10分ほどだっただろう。
モヒカンは、ある程度山本次郎と
話をすると満足して部屋に戻っていた。

また、次もポンコツホテルを利用したい
ということでゴルフパックのチラシも
一緒に持ち帰った。


ここで、山本次郎の疑惑は一気に
芽生え始めた。

おかしい!?

おかしい!?

だって、モヒカンは部屋が臭いと言って
部屋移動した人間だ。

そんな人間が、何故フロントの人間に
親しげに話しかけてくる。
しかも、ゴルフパックのチラシを持ち帰り
また来るとまで言ったのだ。

普通ならクレームものである。
あんな小便臭い部屋を用意したホテルに
クレームを言っていいくらいである。

いくら新しい部屋を用意したとしても
部屋移動などと言う面倒な作業をしなければ
ならなかったのだ。


あ~っ!!

あ~っ!!

そうなのか!!

ここで山本次郎は気づきを得た。
そうなのだ。

最初のモヒカンの部屋は
小便臭くも何ともなかったのだ。

恐らくだが、このモヒカン夫婦は
粗相をしてしまい、部屋移動を申し出たのだ。

だから、悪い気がして、
後でわざわざフロントまで来て、
山本次郎に話しかけてきたのだ。

真相は分からない。
モヒカン夫婦のどちらかが粗相をしたのか?
それとも本当に小便臭い部屋だったのか・・・?

次回に続く
















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