疑惑の部屋移動!?パート1・・・【ポンコツホテル】フロントマン山本次郎の奮闘記

疑惑の部屋移動!?パート1・・・【ポンコツホテル】フロントマン山本次郎の奮闘記



(この物語は、ある老舗ホテルに勤務する
 フロントマンから見聞したエピソードを
 脚色したフィクションであり、
 実在の人物及び団体とは
 一切関係ありません。)

前回のエピソード↓

ホテル業界では常識であるが、
例え、満室であっても、
いくらか空室を残しておくものである。

部屋に不備などがあった時などのため
移動できるようにしておくためである。

いくら掃除やメンテナンスを厳重にしても
ハプニングは起こるものだ。

エアコンの効きが悪かったり、
臭いが気になったりなどで
部屋を変えて欲しいと言ってくる
お客さんもあるのだ。


特に臭いに関しては難しい。
感じ方が人それぞれであるからである。

ラベンダーなどは、よい臭いである人もいれば、
嫌いな人にとっては悪臭ともなる。

煙草の臭いなどは、吸っている人間と
吸っていない人間では感じ方がまったく違う。

従って、お客さんから部屋が臭いと言われれば、
もう、消臭するか、部屋を移動して貰うしかない。

ほとんどが消臭では間に合わないので
結局、部屋を移動して貰うことになる。


そんな部屋移動に関して、
山本次郎のホテルでは、ある疑惑の
部屋移動があった。

ある日、山本次郎がフロントで
接客をしているとき、
チェックインを終えた男性が
鍵を持ってフロントにやってきた。

ウド鈴木みたいなモヒカン頭で
マスクをしている男性だ。

フロントまでのフロアには、
お立ちのお姉さんがいて、
モヒカンに「どうかしましたか?」と
訪ねていた。

だが、モヒカンは「大丈夫です」と言って
フロントまで直接やってきた。

そして、山本次郎に部屋の鍵を見せて、
こそこそ声で山本次郎だけに
聞こえるように囁いた。

「この部屋なんか小便臭いだけど
 ちょっと見て貰える?
 もし、他の部屋が空いているようなら
 部屋を変え欲しいんだけど・・・」


モヒカンにそう言われたら、
行くしかない。

山本次郎はモヒカンと一緒に
部屋に向かった。

「今、奥さん、お風呂に行っているので
 いない間に・・・
 いろいろうるさいので・・・」

モヒカンの部屋に入ると
山本次郎はマスクを外し
臭いを嗅いでみた。

特にそんな臭いは感じない。


「私、あまり臭いに敏感な方でないので
 よく分からないのですが、
 そういう風に言われたら何となく
 そんな気もします。」

まったくそんな臭いを感じないが、
敏感な人はそう感じるのかもしれない。

こういう敏感なお客さんには消臭では
間に合わない。

部屋移動しかない。

「それでは、お客様、部屋の空き状況を
 見て参りますので、お待ちください」

山本次郎は、部屋の空き状況を調べに
モヒカンを一人部屋に残し、
フロントに戻った・・・


次回に続く



















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